Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「はぁ…」
「…より、陽依!!」
「はぇっ!?」
はっと現実に戻ると、私の机の前に友香が仁王立ちをしていた。
「…今日1日ずーっとぼーっとしちゃって。もう終わりのホームルーム終わったよ?」
半ばあきれ顔の友香に、私は苦笑いを返した。
「…ごめんね。ありがと。」
…なかなか棗さんへのいい対応が分からなくて、その事を考えていると授業は右から左へ通り抜けていく。
…授業だけじゃない、全部が聞こえなくなっていた。
「…何か悩み事?話聞くよ?」
私の前の席のイスをカタンと引いて、友香は私と机を挟んで向かい合わせに座った。
「…うん、ありがとう。でも…大丈夫だから。」
…友香の言葉はすごく…、涙が出るほど嬉しかった。
だけど…
事を話すには、個人的な情報が含まれすぎていて、重すぎる。
だから話せないよ…。
「…無理には、聞かないよ。聞かれたくないことの一つや二つだれにでもあるし。だけど…私は陽依の力になりたいし、心配もしてるから。…それだけは、覚えておくこと!」
そう言った友香の顔がほんのり赤くなっているのは、きっと、夕日のせいだけじゃないはず。
「…ふふっ、ありがと友香。私、友香が好きだよ!」
「…いきなり何言うの!キモチ悪いなぁっ!」
そう言う友香の顔は、さっきよりもさらに赤みを増していた。