Secret Garden!!〜オトコだらけの秘密の花園〜
「…っ、」
唇が離れてなお、夕都は私の腕を放さない。
普段とはまったく違う、『男の人』の瞳をした夕都。
…体が痺れるような錯覚にまで陥ってしまいそう。
「夕都…、放して…」
視線を柵に落としたまま、私は震える唇で請う。
「…陽依、そのままでいてよ。」
「…え?」
「…今の、気持ちのままで…。」
今の…気持ち?
…まさか、『夕都を好きなままでいろ』ってこと?
待って待って。
頭がこんがらがる。
夕都は…釉梨さんが好きなんでしょう?
なのにどうして…
「…夕都…、」
「…ごめん。」
切ない顔をしてそれだけ言うと、夕都は『おやすみ』を言い残して自室へと戻ってしまった。