雨をあびるアジサイ


「それは別にいいけど。けどさ、なんでいきなり亜紀の好みを真似たりするんだよ」


「……それは……」


「ぼくがいつまでも亜紀のことを引きずってるから……か?」


カップをテーブルに置きながら、おそるおそるたずねる。


美里は涙をぬぐおうともせず、弱々しい声でゆっくりと告白を始めた。

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