【一話読み切り】 科学は「愛せ」と言っている
 だって、そうでしょう?
 もし人間が他の動物と同じように、ビタミンを生成できたら――?

 いざとなったとき、男は女を見捨てるよね?
 というか、見捨てる事ができてしまうんだ。
 肉だけ食べてれば、生きていけるのなら。
 
 
 それは一見、生存競争に便利と思える。


 「けれど、事実は違ったんだ……!」


 私はちょっと、人間である事を誇りに思った。
 なんて健気で優しい動物なのだろう、と。

 そう。
 人間は確かに「ビタミンの体内生成」という能力を捨てた。
 疑いようもなく。
 
 しかし、それを捨てる事で生き延びた。
 なぜか。

 それは、能力を捨てる事が、すなわち男女の契約となったからだ。

 男女がお互いを想いやる心が生まれた。
 他者を信じる心が生まれたんだ。
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