【一話読み切り】 科学は「愛せ」と言っている
 そうだ、それは約束だった。
 人類がまだ、洞窟に住んでいた頃からの約束。
  

 男が狩りに行き、女は木の実を集める。
 そんな時代に、その約束は結ばれた。


 お肉と木の実。
 エネルギーとビタミン。

 人間はわざと、女が集める事のできるビタミンという栄養素を、命に必須のものにしたんだ。


 だからつまり、ビタミン生成の能力を捨てた事は、

 アナタ(男)が見捨てれば、ワタシ(女)は餓死して死ぬ。
 ワタシ(女)が見捨てれば、アナタ(男)は壊血症で死ぬ。

 ――っていう、約束を結ぶことだったんだ。男女の間で。
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