愛を抱きしめて
…3.転校生 Side.愛

リストカット、昨日はじめてした。最初は怖くて浅くやった。でも、でも2人の言葉を思い出すと憎くて、悲しくて…。

こみ上げる気持ちを抑えきれなかった。



「おはよー!」



なんて言葉が朝の廊下ではたくさん飛び交う。
今日は、1番最低な日で今日が君との"出会い"だった。



いつもどうり、1ーBと書かれている教室に足を運ぶ。そして、ひっそりと自席につこうとおもった…。




「机が…ない。」





こんなこと、初めてだった。
もうすぐ担任がくる。やばい…。急いで探さないと。



そう思って、教室を出ようとした時だった。




「あのー?」




「え?」



久し振りに学校で話しかけられ、驚きを隠せない。
この学校で私に話しかける人はいなかった。




「この机、誰のかわかるか?」




見なれない顔の男の子が問いかけてきた。





そこにあったのは、たしかに私の机だった。でも、マジックで書かれた無数の言葉。




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