キミニアイヲ.
目の端に飛び込んできた黒い物の正体…


それは紛れもなく拳銃。



莉子は体を強張らせて目を見開く。

寒いのに、嫌な汗が背中に湧きだしてくる。



(なに……何なの!?

なんであたしが──!?)



「ついてこい。ある人がお待ちだ」

「……!?」



ふいに体を引っ張られた衝動で、持っていた紙袋がガサッと地面に落ちた。


そのまま強引に歩かされ、莉子は車に押し込まれた。



──“ある人”って…?


どうしてあたしの名前を知ってるの?


あたし…どうなっちゃうんだろう──?



様々な疑問と不安、恐怖が渦巻く莉子を乗せて、車はどこかに向かって発進した。








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