キミニアイヲ.

後ろからグッと手を掴まれる。



「お前…梅林 莉子だな?」



同時に聞こえた、聞き覚えのない男の声。

人はいないと思っていた莉子は、心臓が止まるかと思うほど驚いた。



振り返ってその声の主を見ようとした瞬間


「──っ!!??」


莉子は背後から黒い革の手袋をされた手で口を塞がれた。



「んッ!!んーッ!!??」


「おとなしくしてろ」



もがく莉子のこめかみ辺りで、カチャッという重みのある音が聞こえる。



それを目の当たりにした瞬間、莉子の心臓は急速に縮まって息を呑んだ。



──まさか……


嘘でしょう…!?




< 180 / 370 >

この作品をシェア

pagetop