キミニアイヲ.
「俺は…莉子が無事なら…それで……」



楓の息遣いが荒い。


不思議に思った莉子が顔を上げようとすると──…



「え……楓?」



莉子の肩に楓の頭がコツン…と乗ったかと思うと、そのまま力が抜けたように崩れ落ちた。



「──!?楓っ!!??」



莉子は驚き、戸惑いながらも楓の体を支える。



「かえ──…!?」



手に、生暖かいサラサラした水のようなものが触れる。


自分の手を見て、莉子の心臓は止まりそうになった。



真っ赤に染まる手のひら。


薄手のジャケットに隠されて見えなかったシャツも、同じように真っ赤だった。


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