キミニアイヲ.
「あっ、でも同情とかじゃないからね!あたしはただ単純に愛莉と仲良くなりたいだけだから」



雪音は優しく微笑むと、再びケーキを食べ始めた。



同性の相手にこんなことを言われたのも初めてで、莉子はとても戸惑っていた。


でも、素直に嬉しかった。



「……ありがとう」



俯き気味で小さく呟くと莉子は少しだけ微笑んで、ケーキをゆっくり口へ運んだ。




「ねぇ、社長から変なストラップもらったでしょ?」


「あぁ、あの趣味の悪い…」


「そうそう!あんなの身に付けるより、何かあったらこの雪姉さんに頼りなさいよ♪」


「ふっ……ですね」



莉子は久しぶりに偽りではない笑顔を見せて話していた。


雪音なら、初めての友達になれそうな気がした。








< 39 / 370 >

この作品をシェア

pagetop