続・狼彼氏×天然彼女
山崎さんはあたしに気付くことは無く、ダルそうなまま歩いて向かってきた。
いつあたしに気付くのかと、ドキドキハラハラとしていた。
もし気付いた時にはどんな反応をするんだろうとか、気まずそうにされたらどうしようとか
そんなことばかり頭に浮かんで、肝心の返事の内容を考えてなかった。
「…あれ…実紅ちゃん…?」
「ああ。山崎さんに話があんだってさー、なあ?実紅ちん?」
山崎さんは、ついにあたしに気付いて、こっちに歩いていた足を止めて、その場に立ち止まった。
呼んだのはいいんだけど、
このままどうするか何も考えてないよ―…どうしよう。
素直なままの気持ちを言えばいいって、どうやって言えばいいの?
何て、言えばいいの?
頭の中はパニック状態で、パンク寸前くらいまできていた。
「実紅ちーん?どーした?
…………具合悪くなった?」
考え中に修夜が覗き込んできたから急に修夜のドアップがきて、ビックリして体がビクついた。
「へっ、平気だよ」
「えー、何か実紅ちん変だよー。
何かあったんじゃないのー?」
さらに体がビクついた。
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