続・狼彼氏×天然彼女

20・尊敬する人







◇◆◇◆実紅◇◆◇◆



何も知らないからって陽気に話す修夜にムカついて、山崎さんと2人で校舎裏まで走った。



走ったからか"ハァハァ"と2人で息を切らしながら、膝に手をついて休んでいた。



そんな時でもあたしは
山崎さんに何て返事をすればいいのか、まだ考えていた。



素直なままの気持ちを伝えるのが一番難しいのに、舜はまるで

簡単なことだろ

とでも言うような顔をしながら、あたしにアドバイスしていた。




「素直な気持ち言うのって、やっぱり勇気いりますよね」


「え…?」



膝に手をついたままで、顔だけをあたしの方に向けた。



それはあまりに突然で、まさか顔だけをあたしの方に向けてくれるなんて思ってなくて



…次に出す言葉を思わず、のどの奥で飲み込んでしまった。



「実紅ちゃん?」



そう。あたしは山崎さんを凄いと思ったんだ。



だって、あたしが舜に想いを告げるには時間が掛かったし、お互いに意地を張ったりした。



好きなのに、どこかお互いにすれ違ったりして


好きなのに、想いを告げるのがあたしは怖かった。



それなのに山崎さんは、あたしに素直に気持ちを言ってくれた。




.
< 272 / 466 >

この作品をシェア

pagetop