続・狼彼氏×天然彼女

32・愛しい背中




舜はその後すぐ電車に乗りあたしたちを残して行ってしまった。



修夜は思った通り大泣きまではしなかったけど涙目になってるのが長い前髪から見えた。


洸太も同じく目の回りを赤くしていて意外姿を見れた。


奈留は大泣きでせっかく気合い入れた化粧は跡形もなく崩れ落ちるほどだった。



「へえ?舜も何だかんだ言ってやることやってたんだ」



涙目だった修夜は寮に着くと、あたしの左手にある2つのリングを見てニヤニヤしながらそう言った。



「舜ってそういうタイプじゃねぇと思ってたんだけどなー」


「好きな女には俺のって印残したいのが男の本能だろ」



修夜は舜が彼女にリングなんかあげないタイプだと勘違いしてたみたいで


あたしの左手にある2つのリングをまじまじと珍しそうに見つめていた。



そして洸太はやっぱり大人だった。


奈留という大切な彼女がいるということもあるかもしれないけど


男の本能というより、彼氏の本能というのを分かっていた。



「という事は?…もしかして奈留ちんも指輪付けてたりしちゃったりしてんの?」


「ちょっと奈留ちんは止めてよ。確かに指輪は付けてるけど」



サラッと洸太から貰った“俺の”って意味を持つ印の指輪を自慢気に見せてくれた。



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