甘くないコーヒー
次の日は、朝からセミが鳴いており、何もしなくても汗が背中を伝った。

いつもは、白っぽい洋服を着ている明日見が、今日は紺のワンピースを着ていた。


車を運転していた明日見が「ちょっと待ってて。」と車を降りた。


戻ってきた明日見が持っていた花束を見て驚いた。見事に鮮やかな花束だったからだ。


「今日はね、おばあちゃんの誕生日なんだよ。」

花束をオレに預けると、シートベルトを締めた。
< 12 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop