深海の悪夢~リヴァイアサン浮上せよ
「ふむ…もしこれだけの攻撃が艦艇装備によるものだとしたら、大群に囲まれていることになるが…」

 モニターに見入り、津也は首を捻る。
 
「包囲攻撃にしては、妙に射線がちぐはぐなように見えてならないんだよな…」
 それなりに戦闘経験を積んでいる津也は、表現し難い違和感を抱いていた。

 指揮系統が確立されている軍隊の行動は、全てにおいて理論に基づき、整然と行われる。

 一見して乱雑な動きも、プロの軍人が見ればその法則性は一目瞭然だ。

 しかし、モニターの解析画像を見る限り、そうした統率はおよそうかがえない。

 軍隊行動としては考えられない、無軌道な動きにしか見えない。

「敵は余程の素人集団、ということでしょうか」

 同じくモニターを見ていたリオスの意見を、ヴァネッサが一蹴する。

「バカだねお前は。素人が艦隊なんて組めるもんか」
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