君を傷つけたのが僕だとしても・・・
「じゃあな、悠次!!」


「あっ、お疲れ様です!!」


菅谷は俺に軽く手を上げ、
帰って行った。



その後姿をずっと眺める伊織。



「伊織。」


俺が伊織の背中に話しかけると、


「悠次、私・・・
なんかドキドキしてる・・・」


「えっ!?」


「なんか、すごいうれしい。」


振り返った伊織は
見たことのないような笑顔を見せた。


その時の伊織の笑顔が
とても幸せそうで、俺は・・・


伊織に何も伝えられなかった・・・




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