縁隔操作(えんかくそうさ)
次のエスコートはもう2月の初めに入っていた。ユリアが大きな商店街のある所へ行きたいと言うので、教授の許可をもらって隣の市までバスで出かける事にした。
俺の街にだって、そりゃショッピングエリアぐらいあるが、数も少ないし小さいし、本格的に買い物だとか遊びに行くとかなら、昔からJRの大きな駅がある隣の市の方がいい。大人はみんな車でその隣の市まで遊びに行く方が多い。バスで30分とかからないし、その市の方が街の雰囲気はずっと都会的だ。
ユリアは駅の近くの商店街で高級そうな洋菓子店に入って行った。一緒に入ろうとした俺は入り口でユリアに止められた。彼女は何か笑いを含んだ声で俺にこう言った。
「ここからは女の子の世界です。すぐに済みますから、ちょっと外で待っていて下さいます?」
「はあ、それはいいスけど……独りでほんとに大丈夫スか?」
「おかげでだいぶ街を歩く事に慣れましたから。では、行って来ますね」
数分後、ユリアは小さな紙袋を大事そうに胸に抱えて戻ってきた。何を買ったのかと訊いても「女の子の世界です」の一点張りで教えてくれなかった。
駅前のバス停に戻る途中、周りの看板を見回していたユリアが急に少しびっくりしたような声を上げた。
「あら!ここって海の近くなんですか?」
俺の街にだって、そりゃショッピングエリアぐらいあるが、数も少ないし小さいし、本格的に買い物だとか遊びに行くとかなら、昔からJRの大きな駅がある隣の市の方がいい。大人はみんな車でその隣の市まで遊びに行く方が多い。バスで30分とかからないし、その市の方が街の雰囲気はずっと都会的だ。
ユリアは駅の近くの商店街で高級そうな洋菓子店に入って行った。一緒に入ろうとした俺は入り口でユリアに止められた。彼女は何か笑いを含んだ声で俺にこう言った。
「ここからは女の子の世界です。すぐに済みますから、ちょっと外で待っていて下さいます?」
「はあ、それはいいスけど……独りでほんとに大丈夫スか?」
「おかげでだいぶ街を歩く事に慣れましたから。では、行って来ますね」
数分後、ユリアは小さな紙袋を大事そうに胸に抱えて戻ってきた。何を買ったのかと訊いても「女の子の世界です」の一点張りで教えてくれなかった。
駅前のバス停に戻る途中、周りの看板を見回していたユリアが急に少しびっくりしたような声を上げた。
「あら!ここって海の近くなんですか?」