お隣サンは元彼クン
恋の音色
隣に住んでても、なかなか会わないもんだ。

いる気配はあるのにな…
何も用ないもん。会えないよ。むしろ避けられてんのかも…


いつもどおり洗濯物を干して…
そしたら聞こえてきた。

ギターの音で…曲は、あの曲だ。


柊二が、初めてギターを買った時、私がどうしても、この曲弾けるようになって!って言ったあの曲。


柊二はケンカして、あたしが怒ってる時も、よく、この曲を弾いた。
機嫌なおせよのサイン。


あたし別に怒ってないけど。


柊二は何か伝えたくて今、この曲を弾いてるのだろうか…気になるよ。


その日の夜、柊二が、うちに来た。
あたしが、かなりびっくりしてると、柊二は
『旦那さんは?』
って言って…あたし何言うんだろって心臓のドキドキがとまらなかった。そして柊二の口から出た言葉は…
『モデル!?』
司と私は声をあげる。
『えぇ森山さんが、よければ、ぜひ拓くんをデッサンさせてもらえないでしょうか』
拓をモデルにしたいと柊二は頼みに来た。
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