お隣サンは元彼クン
次の日、拓が、お昼寝から起きて、おやつ食べさせて機嫌をよくしてから、隣の柊二の部屋に行った。

『おじゃましまーす』
『おう!来たな、拓ぅ機嫌はバッチシか?おもちゃいっぱい持って来たか?』

忘れてるのかもな…今日は偶然だったのかな。まぁ10年もたってんだし。仕方ないか…

私は、初めてはいる柊二の部屋に、ちょっと緊張していた。
うちと同じ間取りなのに、置いている家具とかで、やっぱ全然違う家になる。
柊二のにおいがする。

柊二がアトリエにしている部屋は、うちでは寝室として使っているフローリングの部屋。うちはベッドを置いていて狭く感じるけど、この部屋には何もない。物は、ただひとつだけ。真っ白の大きなキャンバス。
私と拓は、そこに案内され持ってきた、おもちゃで早速、拓は遊び始めた。

いつのまにか、柊二は書き始めている。
さすが。どんな表情も、みのがさないんだろな…


柊二の真剣な眼差しを、見てると、この前の公園での出来事を思いだしてしまう。

考えただけで赤面しそうだ。
お互い、あの日の事にふれないのは何でだろう。


それよりさぁ柊二、今日何の日か思いだしてよ…

『よし!終了』
< 43 / 62 >

この作品をシェア

pagetop