お隣サンは元彼クン
死と真実
誕生日から2週間くらいたったある朝の事だった…

いつもベランダから柊二の車が見えるのに、今朝は早くから車がなかった。

変だなぁと思ったけど、仕事か実家にでも帰ってんだろうと思って、別に気にしなかった。

でも今日、昼頃お皿が2枚も連続で割れた。
なんだか嫌な胸騒ぎがした…
夕方、私の携帯が家中に響いた。
着信は、お母さん。

母は泣いているばかりで、全然話にならない。
『はっきり言ってよ。泣いてちゃわかんないじゃない』


『柊ちゃんの、お母さんが亡くなった。』


母は、それ以上何も言えず、ひたすら電話口で泣き崩れていた。

母の勘違いとかではないんだろうか。柊二ママが死ぬなんて、そんなの絶対ないよ。

私は泣かなかった。嘘であってほしいから。


私は10年ぶりに柊二に電話をかけた。
柊二は電話には出たけど、ずっと無言で、途中、鼻をすする音が聞こえた。


柊二まで…何?ドッキリ?みんなで、あたしを、からかっているの?

私はまだ泣かなかった。

今どこ?という私の質問に柊二は、葬儀場の名前を言った。
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