妹神(をなりがみ)
数人の女子生徒が身を縮めるようにしてそいつらの横をすり抜けて教室から出て、走るように去っていく。そして、あちゃあ、美紅が姿を現してしまった。
俺は小走りで教室のドアへ行き我ながら情けないとは思ったが、ひきつった笑顔でその不良連中に愛想をふりまきながら美紅に声をかけた。声が震えているのが自分でもはっきり分かったが。
「お、おお、美紅、ちょうど良かった。さ、さ、さ、帰ろうぜ。あ、すいませんね。ちょっと通してもらいますね……アハハ……」
「まあ、待ちな」
不良連中の中でひときわ背の高い、目つきの悪い奴が突然声をかけてきた。俺も中三にしちゃ小さい方じゃないが、こいつはその俺より頭一つ分背が高い。それに体つきもごつい。こいつが俺の隣のクラスの番長だ。以前から遠くから見ては急いで逃げていたが、間近に見ると同じ年とは思えない迫力だ。
「い、いや、あの……そろそろ帰りたいなあと思って、その……」
俺は言いながら声だけでなく膝ががくがく震えるのを自覚していた。俺は自慢じゃないが、いやほんとに自慢にもならないが、ケンカはからっきしダメなんだあ!
「そうあわてて帰る事はねえじゃねえか。まだまだ外は明るいんだからよ。ああん?おう、そうか、おまえが噂の『お兄さん』だな。俺はよ、おまえの美人の妹にちっとばかし用があるだけだからよ。だからな・・・今日は独りでお家に帰んな!」
番長がドスの利いた声で俺の顔に自分の顔を近づけながら吠えるように言った。すでにこの時点で俺はもう小便ちびりそうにビビっていたが、しかしさすがに美紅をこのまま置いて行くわけにはいかない。
「ちょっと、あんたたち!いいかげんにしなさいよ!その子だって嫌がってるのが分かんないの?」
そう声張り上げたのは絹子だった。あの馬鹿!いくらおまえが男勝りでもこいつらにかなうわけないだろ。それも相手は五人もいるんだぞ。
俺は小走りで教室のドアへ行き我ながら情けないとは思ったが、ひきつった笑顔でその不良連中に愛想をふりまきながら美紅に声をかけた。声が震えているのが自分でもはっきり分かったが。
「お、おお、美紅、ちょうど良かった。さ、さ、さ、帰ろうぜ。あ、すいませんね。ちょっと通してもらいますね……アハハ……」
「まあ、待ちな」
不良連中の中でひときわ背の高い、目つきの悪い奴が突然声をかけてきた。俺も中三にしちゃ小さい方じゃないが、こいつはその俺より頭一つ分背が高い。それに体つきもごつい。こいつが俺の隣のクラスの番長だ。以前から遠くから見ては急いで逃げていたが、間近に見ると同じ年とは思えない迫力だ。
「い、いや、あの……そろそろ帰りたいなあと思って、その……」
俺は言いながら声だけでなく膝ががくがく震えるのを自覚していた。俺は自慢じゃないが、いやほんとに自慢にもならないが、ケンカはからっきしダメなんだあ!
「そうあわてて帰る事はねえじゃねえか。まだまだ外は明るいんだからよ。ああん?おう、そうか、おまえが噂の『お兄さん』だな。俺はよ、おまえの美人の妹にちっとばかし用があるだけだからよ。だからな・・・今日は独りでお家に帰んな!」
番長がドスの利いた声で俺の顔に自分の顔を近づけながら吠えるように言った。すでにこの時点で俺はもう小便ちびりそうにビビっていたが、しかしさすがに美紅をこのまま置いて行くわけにはいかない。
「ちょっと、あんたたち!いいかげんにしなさいよ!その子だって嫌がってるのが分かんないの?」
そう声張り上げたのは絹子だった。あの馬鹿!いくらおまえが男勝りでもこいつらにかなうわけないだろ。それも相手は五人もいるんだぞ。