俺の彼女はインベーダー
第12章 ブラッド・ピーッ
 早いもので俺も麻耶も夏休み前の試験期間になり、それぞれ全試験が終わったところで桂木二尉から集合がかかった。ラミエルは防衛省に毎日通って二尉の手伝いをしていた。全員が顔を合わせたところで、俺はある心配をしていた事を話題にした。
「俺は大学生だから何とでもなるけど、麻耶、おまえ出席日数大丈夫だったのか?けっこう桂木さんの手伝いで欠席してただろ?」
 それには麻耶でなく二尉が答えた。
「ああ、二人ともそれは大丈夫よ。私の助手やった日は出席日数としてカウントするように、麻耶ちゃんの高校にも早太君の大学にも頼んであるから」
「え?いくら自衛隊でも、そんな事できるんですか?」
「ええ、文部科学省からの補助金カットの件持ち出してお願いしたら、快くオーケーしてもらって……」
「それはお願いじゃなくて、脅迫でしょうが!」
 そうツッコミを入れる俺を気にも留めず、この能天気な二尉は話を続けた。
「ところで、これはラミエルさんも同意見なんだけど、敵の動きがちょっと妙だと思わない?」
「はあ?どういう事です?」
 横からラミエルが口添えする。
「わたしが以前地球征服要員として地球にいた時の事を思い出して下さい。わたしには3カ月の期限がありました。だから焦っていろいろな地球征服計画を試しましたよね?」
 そうか!俺は今頃になってそれに気づいた。
「そう言われれば、あの二人は俺たちにちょっかいは出してくるが、大がかりな地球征服作戦らしき事件は一度も起きてないな。もう2カ月以上経っているのに」
「そうでしょ?何か裏がありそうな気がするのよ」
 二尉が話を引き取った。
「そこで今回は、こっちから挑戦状を送りつけてやろうと思うのよ」 麻耶が面倒臭そうな声で訊いた。
「送りつけるって、どうやって?」
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