鬼に愛された女
「奥方様は自分に気づいたからあんなに必死になって止めていたのに……」
「だって、可愛かったから」
「たちが悪いのは、頭領も自分に気づいていたのに、気にせず奥方様に迫ることです」
そう言うと、鋼は、恥ずかしくて縮こまる美月をちらりと見る
袖で顔は見えないが、きっと泣いているはずだ
「すまない、美月。そなたがあまりにも可愛いから、つい意地悪をしたくなってな?」
「…です」
「え?」
「神威様なんて大嫌いです!」
美月は泣きながら怒鳴ると、神威を押して、その場を去る
「み、美月?待ってくれ美月!」
追いかけようと腰を浮かすが、すでに美月の姿はなかった