鬼に愛された女
「わかった。届けてくるよ。よし、今夜にはでるか」
「そのことだが、別に急いでいるわけでもないから、明日にでてもかまわないそうだ」
「そうなのか?……じゃ、明日の朝にでも出るか」
「白雲」
白雲が欄干から離れる
鋼はその場を離れようとする白雲を引き止める
「なんだ?」
「……奥方様への気持ちはすてろ。そうしないと自分の身が亡ぶぞ」
「そうか。忠告ありがとうよ。じゃあな」
悲しげな笑みになると、白雲は片手を上げてすたすたと歩きだした