鬼に愛された女


「ふふっ。神威が憎いか?白雲、私がそなたの力になってあげよう」


白雲の肩に手を乗せて耳元で囁く


「憎いのだろう?邪魔な神威を殺せば奥方殿はそなたのものになるぞ」


「……俺は……」


震える手で白雲は頭を押さえる


いつの日か育ってしまった心の闇が白雲を蝕んでいく


「俺は……」


白雲の口が動いた


かすれた声で白雲は言った



< 270 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop