鬼に愛された女


白雲は目の前にいる男を殺したいという気持ちをなんとか抑えて拳を握りしめる


「そなたが百鬼についたら、最初に奥方殿が赤子を抱いている姿を見るだろう。赤子は女児。赤子が産まれたせいでそなたはどんどん奥方殿に近づけなくなる。孤独な日々」


「ちょっとまて。赤子?美月と神威の?」


「当たり前だ。それ以外にあり得ないだろう」


昌明の満面な笑み


なんとも憎らしい


いや、神威が憎らしい


俺からあいつを奪った神威が……



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