炭坑の子供たち(2)
 “結んででひらいて、手を打って……” の替え歌に至っては

“盗んで開いて、手を打って、盗んで、股開いて”

この、「股開いて」のくだりには、男子はみな立ち上がって

大きく股を開いたものである。

もう一つの体育であるが

世の中、うまく出来たもので

勉強が出来る秀才は、余り体育が得意ではなく

そうでない者は、体育が出来るので、生き生きとしていた。

極まれに、勉強が出来て、体育も得意だと言う、怪物みたいなのがいたが

男子にうとまれる反面、女子にはモテモテであった。

中には、どちらも出来ないのがいたが、

それが、ほとんどを占め、いわゆる凡人である。

そして、クラスに、必ず何人かいたのは

いくら練習をしても、跳び箱と逆上がりの出来ない子である。
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