恋人 × 交換!? 【完】


正直、カッコよすぎるし、優しすぎるし、えくぼの映える微笑も、うっとりするくらいに完全無欠。



そんな、完璧といえる王子様からの告白だから、空でも飛べそうなくらい、舞い上がっていいはず。





(なのに……)





ドキドキしてる胸とは反対に、その胸のさらに奥にある「心」は、どういうわけか、シュワシュワと弾けはしなかった。



まるで、ぬけ切った炭酸みたいに、しーんと……。



「あーあ。紅茶落ちちゃったね」



話題を逸らすように、助けられたときに転げた缶を、拓人さんが拾ってくれた。



「す、すみません」



さっきの自販機へ缶を捨てに行く後ろ姿に向かって謝る。



そのとき私は、歩道のわきにもうひとつ落ちているものに気づいた。





(……ケータイ?)


< 178 / 270 >

この作品をシェア

pagetop