先生とあたしの子育て〜愛する家族〜



「佳菜? チャイム鳴るよ」

「あっ、うん」

美羽と教室に戻った。



「お〜い。HRを始めるぞ」

理人が教室に入って来た。

「赤井(あかい)」

生徒の名前を読み上げてゆく。



…姫恋。今頃なにしてるんだろう?


私たちが学校にいる間、姫恋は母さんたちが交代で見てくれている。

私たち夫婦の実家は、両方とも我が家に近いからいつも助けてもらってるの。

卒業したら親孝行をしなきゃ。


「…みや」

私はそんな事を考えていた。

「二宮佳菜」

ふっと我に返ると、り…じゃなく先生が私の名前を呼んでいる。

「はっ、はい!!」

「二宮。お前なに〜ぼっとしてんの?」

「す、すみません」

「さぁ〜授業を始める」


学校では完璧な先生モード。



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