タイトル未定
新しい出逢い

あたしがこの時代にきて約1ヶ月
大好きな桜も散り青葉が陽を浴びて輝いている

最近あたしは誰かに見られている気がしてならない
でも周りには誰もいない

「あ~あぁ
こんな古い家なら幽霊の1人でも住みつくよね」

すると急に
ミシッミシッ
天井から誰かが床を踏みしめる音がする

「なにやつ
そこにいるのはわかっている
白状して出てこい!」

あたしは天井に向かって大きな声でそう叫ぶ

すると、ガタッと天井の一画が開いてスタッと誰かが降りてきた

あたしはすかさず刀の柄に手をやる

「あーあ
とうとうバレてしもうたか」

その男は背は低いが色黒のかなり美形


「まあまあ、そんな物騒なん抜くもんやない
俺は新選組諸士調役兼観察の山崎丞
あんさんの事は土方副長から聞いとるで
しかし、うまく男になりすましとるなぁ
観察になったらどうや?」


山崎さんはペチャクチャとしゃべくる

「人のことつけて歩くなんていやらしいですね」

あたしは一言返事をする

「まぁそれが仕事やさかい
なかようしてやぁ」

「でもなんで今頃現れるんです?」

「俺は監察方やさかい人に顔を知られたらだめなんや
せやから俺はここやなくて近くの髪結床に世話になっとる」

「そうなんですかぁ
先ほどのご無礼失礼致しました
あたし櫻木美咲です
よろしくお願いします」

「やっぱかわいいなあ
よろしくたのんます
ほな今から忙しいんでまた」

そう言って山崎さんはまた天井に消えていった
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