群青の箱

僕から見た『ゆうな』

ゆうなは、
正に飛び降りでした。



サインとしての
自殺関連行動は、
刃物などで、
首や胸を刺すことでした。



命を賭した演技だったと、
思われたこともあります。



それは僕の目の前でだけ
行われましたが、
最後の飛び降りだけは、
誰にも言わずに
黙って逝ったのです。



僕は、彼女の実際の死は
思ってもいなかった
というのと、



心のどこかに
その予想もあったというのと、
矛盾した気持ちが
正直なところでした。



でも、ゆうなは
あれだけ苦しんだのだから、
これでやっと苦しみから
解放されたのだと、



思わざるを得ないものが
僕にはありました。
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