百人殺せば英雄です
「あんさんは?」
布で刀を拭く秋月は言う。
「御巫依子……」
「御巫、こりゃまた偉い名前どすなぁ。神様に仕えし、姓。古来より名前はその人のあり方言いますが、なるほどなるほど、並みやないわけね」
拭いた紙を切り刻む。パラパラと雪みたいに落ちる紙欠片。
「まだ手はあるんやろ?どうかこれで終わりは堪忍な」
「っ……、おいでくださいませ!」
二枚目の紙は、“鬼神”(きしん)である。
三メートルはある黒い鬼だ。
「鬼まで使役しとるんねぇ」
「使役じゃないっ。妖怪だろうと式神だろうと、私にとっては大切なお友達なんだからっ」
「お遊戯会でもやったらどないです?」