闇氷花



そう言うと先生は立ち上がって
退院の支度をし始めた。

あたしも続いて立ち上がり支度を
する先生に呟いた。


「…ありがとう先生。」

聞こえてても、聞こえてなくてもいい。
先生にお礼を言いたかったから。

あたしは支度をし始め先生があたしの
言葉に泣いていたことなんて
知るよしもなかった―…。




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