不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
 でも叔父さんは仕事だけは容赦しなかった。

俺の女装は、叔父さんの恋人役を演じるためだった。


俺だってイヤだよ。
幾ら叔父さんの頼みでも。


でもそれらはみんな証拠写真や資料を得るのに必要だったんだ。
だから仕方無く引き受けたんだ。


俺は叔父さんから、探偵としてのイロハを叩き込まれたのだった。


『サッカーなんか辞めてずっと手伝ってくれ』
叔父さんはことある毎に言っていた。


でも俺からサッカーを取り上げたら、何も残らない。
みずほ以外何も……


そうなんだ。
俺にとってみずほは、何物にも代えられない宝物だったんだ……




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