不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生
 俺は何時もワンピースだった。

叔父さんの殺された奥さんの形見の洋服だった。


スーツもあったけど、ウエストサイズが違った。

でもワンピースは殆どが寸胴で、背中にジッパーがあったから何とか着ることが出来たのだ。


俺は学生服に着替えてから、中から出て来る所を待ち伏せして偶然を装って接近した。

何か問題が起きた時の御守りにと考えたからだった。


「あっ!?」
先生は小さく言って、ばつが悪そうにそそくさと現場を立ち去った。


でもその後は何も起きることなく今日まで……

なんとなく過ぎていた。




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