それでも朝はやって来る
「俺は、由緒正しき八重樫家38代目当主 、 八重樫 悠里(やえがし ゆうり)。で、こっちは俺の側近の真楯だ。」


急に真剣な顔になった。
射ぬくような強い瞳。

小学生がこんな顔するなんて…


「お前の父が作った借金は、八重樫家が肩代わりしてやった。安心しろ、父親の借金はなくなったから、取立て屋ももうこないだろう」


がしっと肩をつかまれ、吸い込まれそうな大きい瞳に、じっと見つめられる。


「借金を返済してやるかわりに、父親に条件をつけた。


代わりにお前をよこせとな」


口の端を持ち上げて、ニヤリと笑った。




「よかったな。今日から、お前は俺の奴隷だ」


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