それでも朝はやって来る
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隣で回すペンの音がなかなか耳から離れてかなくて…

少しだけ顔を横に向けた。




となりの席には、制服を着た悠里が不機嫌そうに授業を聞いている。



昨日の夜から、特に会話はできなかった。



終始不機嫌そうなので、何となく話しづらくて、声をかけにくいのだ。



大きな溜め息と共に、鋭い眼差しで真楯を睨んでいた。



真楯の方はといえば、はなっからそんな視線は気にならないとばかりに、いつも通り淡々と授業を進めていく。





真楯センセ、大人…だな………





少しだけ朝、朝子が起きる前に二人が言い合っていた事を思い出した。




真楯センセは、悠里の部下……みたいだけど、悠里も一目置いているみたい。


朝の口論はすぐ終わり、朝子が席につく頃には不満そうに悠里が朝御飯を食べ終わっていた。





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