それでも朝はやって来る
11 ★ 宿敵×出現
パチパチと木が焼ける音で、朝子は目を覚ました。


ここは……


暖炉の前のソファに横になっていたらしい。

掛かっていた毛布をずらして、起き上がろうとしたが体に力が入らない。



「起きたか?」



声がする方に顔を向けると、向かいの一人がけソファに男が座っていた。

男は髪の毛を短く刈り込み、その屈強で頑丈そうな体に合った低い声で話を続けた。


「お前が、『朝子』……か?」


品定めするように目を細めて、朝子を頭の先から足の先までじっくりと眺めた。


「あ…あなたは?」


ふんと鼻で笑われた。


「俺か?

俺は、橘 神剣(たちばな みつるぎ)だ」



たち…ば…な!?


「あなたが、悠里に呪いをかけた…」

「いかにも」


橘と名乗った男は、ゆっくりとグラスの中の物を飲み干した。

グラスをサイドテーブルに置き、ゆっくりとソファから立ち上がった。


座っていた時に比べて、大きく見えた。

朝子より頭2つ分は大きい。


ぐいっと朝子を引っ張ると、抱き抱えて自分の上に座らせ、先程のソファに再度腰かけた。


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