それでも朝はやって来る
息を吸う隙さえ与えてくれない荒々しいキス。


上顎の内側を擦るような舌の動きに、思わず声が漏れた。


「…ッんぁ……!!」


足の力が抜けて、そのまま座り込んでしまった。


「今日はこれくらいで勘弁してやるよ。まだタイムリミットまで1ヵ月もあるからな」


頭をポンと撫でられた。

タイムリミットってなんのこと?
1ヵ月もこの人たちここにいる気なの?


「暇だったから、夕飯つくってやったぜ。着替えたら降りてこいよ、腹減ったろ?」


鳥の巣みたいな髪の毛をワシャワシャされた。

去り際に、悠里がニヤリと笑ってこう言った。


「おまえ、結構イイ声で啼くんだな」


カァーッと顔から火が出るくらい紅くなったのがわかった。


.
< 14 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop