それでも朝はやって来る
「朝子様…」


低い声で囁かれて、体がビクッとするぐらい反応してしまった。

緊張が空気を通して、伝わった。


「着替えてもいいですか?勢いで電気を消してしまって…

着替えそびれてしまって…」


「はははは…はい!」


朝子の声が裏返る。


ギイッとベットの近くにあったクローゼットを開ける音がした。


これから真楯が着替えると思ったら、緊張してきた。

見ないようにすればするほど、目をそらしてる方からするシャツを脱ぐ音が、気になって仕方がなかった。


「…クスッ。

朝子様、寝ないんですか?」


体育座りをして掛け布団に顔を埋めていた朝子に、真楯が擦り寄る。


ベットが軋む音が、いやらしく聞こえた。


「寝ます!寝ます!」


ガバッと布団を掛けて、ベットの一番端に寝た。


「では、おやすみなさい」


緊張でカチコチになっている朝子が可笑しいのか、笑いを堪えて反対側のベットの端に寝ているのに、真楯の肩の震えが伝わってきた。


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