それでも朝はやって来る
「朝子様…可愛い

耳…真っ赤ですよ」


子供のように笑う真楯が可愛く見えて、本当の彼の姿を見せてくれたような気がして


嬉しかった。


「もう、せんせ!」


「残念。もう少し一緒にこうしてたかったですが、時間です」


余韻を楽しむ間もなく布団から真楯は出て、昨日と同じようにクローゼットの前で着替えを始めてしまった。

朝子が目を覆う前に真楯がTシャツを脱いだので、細身だが締まった体が見えてしまった。


「キャッ!」


「すいません…気が緩んじゃって」


素早く白いシャツを羽織るがもう遅かった。


「やっぱり、ちょっと気持ちが悪いですよね。背中の傷…」


白いシャツを羽織る前、ちらりと見えた背中から肩甲骨に掛けての傷痕…

鋭い刃物で切りつけられたような痕だった。


「違います!

裸になるなら、少しは気を使ってください。慣れてないんですから…」


窓の方を向いて、真楯の着替えを見ないように心掛けた。


テレビをつけて、なるべく真楯に集中しないように装った。


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