それでも朝はやって来る
目が合うと自然とお互いに恥ずかしくて、笑ってしまった。


「おはようございます」


寒くて中々布団から出れないでいると、布団をかけ直してくれた。


「も、少し…こうしてていいですか?」


あたしも、そう思っていた。



まるで、朝子の気持ちを代弁してくれているようだった。


朝子が黙って頷くと、子犬のように笑ってぎゅうっと抱き締める。



真楯先生といると、とっても安心する…


昨日も何もしないで

ただただ、一緒に眠ってくれた。


冷えた体も心も温めてくれた。


あんまり好きじゃないタバコだが、先生のは微かで嫌いじゃない。



すらりと伸びた手が、くせ毛で可愛くない朝子の髪をそっと撫でる。


触れあった足先がこそばゆい。



「足…冷たいですね…」



器用に足先をからめられた。

密着度が増して、朝子は急に恥ずかしくなってしまった。





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