それでも朝はやって来る
2 ★ 突然×不自然
*****


ブッブー…ブッブー…


枕元で携帯が震える。

もー、うるさいなぁ…


ブッブー…ブッブー…


ったく、こんな朝早くに…何時だと思ってんのよ!


ブッブー…ブッブー…


ハイハイ、出ればいいんでしょ。
今出ますから、ちょっと待って。


朝子は布団を頭の上まで被りながら、手探りで携帯を探す。


「…はぁい」

『アーッ!やっと出た。朝子、今どこ?
もう、予鈴鳴っちゃうよ!遅刻!遅刻!』

「ち…遅刻!!」


びっくりして、布団から転げ落ちた。

もうすでに、8時15分。
後15分で学校が始まる時間だ、ヤバい…。


「ごめん、カナ。急いで行くから、なんとかごまかしといて!」

『わかった。今日全校集会だから、なんとかなると思う。焦ると危ないから、気をつけて来るんだよ!』

「ありがと」


急いで電話を切って、支度を始めた。

天然パーマの髪は朝まとまりが悪い。
いつも念入りにブローしてるのに、今日は時間がない。


「あーん、まとまんないなぁ。もう!鳥の巣みたいでやだよぉ」


無造作に一つに結びながら、制服に着替えて玄関へ急いだ。


「いってきまーす!

って、誰もいないか…」


戸締まりをきちんとして、家をあとにした。


.
< 2 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop