それでも朝はやって来る
家の門を塞ぐように、黒塗りの高級車が停まっていた。


もう、なんなのよ!


人んち真ん前にこんな大きい車を駐車するなんて、まったくどんな人が乗ってんのよ。

中を覗こうにも濃いめのスモークがかかっていて見えない。

高そうな邪魔な車を、蹴飛ばしたい気持ちをグッとこらえて、先を急ぐことにした。


すると、運転席側のドアが開く。


「…あっ…」


うわっ……驚いた…。


………超綺麗…

真っ直ぐ綺麗にのびた漆黒の髪に、透き通るような白い肌。

宝石のようにキラキラと美しい瞳に、薄紅色の形のよいうっすらとした唇。


女…?

いや、男かな…


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