それでも朝はやって来る
「それは男に限らず、人によるんじゃないかな?」


顔から湯気が出てるので、顔をあげれずうつむいたまま話を聞いた。


「ね、カナ…」

「なぁに?」

「……キス…した時って立ってられる?」


突然の問いかけに動揺して、カナは飲んでいたオレンジジュースを吹き出しそうになった。


「へっ!?」


自分が変な質問をしたのは明確であった。

ヤバイ、もう恥ずかしくて死にそうだ。
お弁当を見つめたまま固まってしまった。

カナのため息が聞こえた。


「あんたたちどんだけ激しいキスしてんのよ!そんなのしてるくせに、好きだって言ってもらってないの?」


視線が痛い。


「そんなキス、好きでもないならしないんじゃない?普通は、別にどうとも思ってない人とそんなことしないでしょ」


ごもっともです。


「櫂先輩も大胆なことするわねー」


えっ!?


「ま、なかなか小さい頃からの付き合いだから言えないのもわかるけど、先に手を出しちゃうっていうのは、頂けないわー」


鳩が豆鉄砲食らったような顔をしてカナを見ると、カナも驚いた顔をして朝子を見つめていた。


「えっ!?櫂先輩じゃないの?」


櫂兄があたしを…!?


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