それでも朝はやって来る
「ここ…痛くないんですか?」


丁度、掴まれた腕の後が残ってる所を握られて、激痛が走った。


「痛いッ…!」


痛いと言っても、真楯は腕を握るのをやめてはくれなかった。


「離して下さい、真楯先生!!」


何故か氷のような冷たい目で朝子を見ていた。


「先生、痛い…よ!!」


大きな声で叫ぶと、やっと真楯は朝子の腕を離してくれた。

ほっとしたのもつかの間、真楯は朝子を抱き寄せ舌を深く絡めてきたのだ。


「……ッ…真楯…せん……ンンッ……」


左手でしっかりと腰を支えられ、身動きがとれなくなってしまった。

しかも、先程とは全く違う激しいキスに朝子は目の前がクラクラして何も考えられなかった。

左手で必死に止めようとするが、力など入るわけがなく、ただ真楯を煽る仕草にしかならなかった。



「……あ……ッ…やぁッ…………」



気づくと痛む右腕がブラウスを脱がされ、真楯の前に露になっていた。


ふっと真楯の気配が消えたので、閉じていた目を開けると…


アザとなっていた右手を丁寧に治療している真楯が目に入った。


朝子は息を整えるのに必死だった。

あれだけ激しいキスをしたのに、真楯は全くと言っていいほど呼吸は乱れておらず、平然と朝子についたアザを舐めているのだった。


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