君を探して
「準備、できたよ?」

私は、送信ボタンに手をかけてチョコに言う。

「本当に……するの?」

チョコは口をきゅっと結んだ。

そして、ゆっくりと大きく頷いた。

「ここから先は深月に任せるよ。無理ならやめてもいいし」

そう言って、前を向いて先生の話に耳を傾けるフリをした。

「もしその気になったら、教えてね。私も一緒に探すから」

教壇では、教頭先生の話が終わって、滝田先生が来年のクラス分けについて説明を始めたところだ。

滝田先生が出てくると、生徒の緊張が和らいで少しざわついてきた。

……これも、いつもの授業のまんまだ。

先生の話は5分ほど続いて、また別の先生と入れ替わる。

「では、次に、今後の具体的なスケジュールを……」

教室に静寂が戻った。



──今だ!


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