君を探して
結局、2人ではそれ以上話は進まないことに気がついた私たちは、

「アドレスについては、東雲にあとで聞いてみようね」

と約束して、先に進むことにした。


「じゃあ、ちょっと読ませてもらうね!」

気を取り直して、チョコがメールの本文を開いた。

私は横から、それをじっと見守る。


チョコが最初に見たのは、“オレ”から初めて届いたメール。

<おーい。オレが誰だかわかる?
いつもオマエのことを見ています>

懐かしいな。
ほんの1ヶ月前のことなのに、もうずいぶん昔のことみたいだよ……。


チョコは、次に、私が慎にフラれた日のメールを見てクスリと笑った。

<自分に嘘ついて笑って、自分のことを傷つけるなよ>

「なんか、かっこつけたヤツだよねー」

「うん」

私もつられて笑った。


「でも、これって……」

そう言った後、チョコは無言になってしまった。


そして、さらにメールを2.3通丁寧に読むと、あとは簡単にいくつかのメールを開いただけで、すぐに閉じてしまった。

そして、不思議そうな顔をして私の目をじっと見つめた。

「これ……間違いなく“オレ”なんだよね?」


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