君を探して
「え?」

チョコの意外な言葉に少し言葉が詰まったけれど、私は「うん、そうだよ」と答えた。

「深月、本気で言ってるんだよね?」

「うん……チョコ、どうしたの?」

チョコは、私の顔をじっと見ている。

不思議そうになにか考え事をしながら。

「……そう……なんだ……」

チョコは私に携帯を返してくれた。

「もっと早く見せてもらえばよかったな……」

「……え?」

「ううん! 何でもないよ」


その後、チョコは無言でじっと考え込んでしまい、

私もそんなチョコの神妙な様子に何も言えなくて、


そのまま、私たちの“オレ”探しは中断してしまった。

< 168 / 308 >

この作品をシェア

pagetop