君を探して
「そんなに言うんなら、相馬や山野上に頼れよ!」

は?

オレ?

「俺は何なんだよ!」
「何が仲良し4人組だよ!」
「俺よりあいつらのほうが気が合うんだろ、だったらあいつらのとこに行けよ!」

なんなんだ?

オレと慎はそんなに仲がいいわけではない。

だけどあいつがどんな奴かはある程度知っている。

いつもおとなしくて大声をあげるところなんて見たことのない慎が、キレている。

これはただ事ではないと言う気がして、オレは息を潜めながら教室の中をのぞいた。

少しの沈黙の後、慎は我に返ったようで、普段の口調に戻って深月に謝った。

だけど……深月の様子は明らかにおかしかった。

体を強ばらせたまま微動だにせず、慎のキスも拒んだ。

その態度には、拒絶だけでなく恐れさえ感じられた。

そして、キスを拒まれた慎の表情はさらに冷たくなっていった。

そりゃそうだよな……。
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